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執筆者の写真王様企画

演劇の「劇」は、


おはようございます。 マツモトミザリーです。 自分で言うのもアレだけど、私は世間的に見てかなりお堅い仕事に就いています。 なんというか、世界中の一般人の中でも特に平均的な3%の人間を更に平均したみたいな、 とにかく「マトモ」で、浪費とか放蕩とは真逆の、マルクス的な意味で生産的であるかどうかだけを考えながら仕事をしています。 そんな「マトモ」を来る日も来る日も続けていると、身体の中に過剰なエネルギーがどんどん蓄積されていきます。 どちらかと言うとバイタリティ低めの無気力人間だと思っていた自分の中に思わぬ激しさを発見し少し狼狽したけれど、よく考えてみれば、人間はデフォルトで過剰なエネルギーを持て余してるものだということは、200年ぐらい前からどっかの偉い思想家が言っていることだ。 生命維持だけを目的とするなら、ただ食べて寝て生殖してればいい。 でもそんなんじゃ満足できない。 過剰なエネルギーは、過剰な活動でしか消費できない。「生きる」「種を繋ぐ」という目的から外れた、ある意味ボーダーを越えた行為でなくてはならないのです。 例えば、宗教儀式における供犠とか薬物とか、逸脱した性行為とか。 生命維持のためには不必要どころか、悪影響ですよね。 演劇なんて、まさに、過剰。 わざわざ自分以外の人を生きなきゃいけないんだから。 劇場という密室で、そんな過剰な、ボーダーを越える瞬間を共にするなんて、もう、ただならぬ関係ですよね。 読書や映画じゃ得られない、非生産的な消費から生まれる高揚、一体感、連続性。 演者とスタッフと、そして何よりお客さまと、理性の外側へ行きたい。 「演劇の劇は劇薬の劇」とはよく言ったものだ。 そんな取り留めのないことを考えながら、今朝も気が狂うほどマトモな職場に向かっているのです。

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