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執筆者の写真王様企画

わざわざありがとうございます

社会人をしていると、なんでもかんでも納期を抱きかかえながら毎日の業務に臨まなければなりません。


納期というやつは、大きな仕事でも小さな仕事でも関係なく付随してきます。また時に彼は、仕事の規模に見合わない程度で突進してきます。


そんな規模と見合わない短納期の仕事に取り組んでいた時の話です。



その日にふっかけられて、その日に終わらせてくれという、関わる人全員に負担をかけるよくない類いのものが上から降りてきました。


私は急いで業者の人が理解できるよう資料をまとめます。

そしてそれと共に腰の低い、それはもう靴を舐め回すくらいに低い姿勢のメール文章を打ち込み見積りを依頼するのです。


この低姿勢メールによって私は社内外問わず関係性を築き上げてきました。


電話にメールと顔の見えないコミュニケーションツールを使いこなして、いかに円滑にパスするかが私の仕事のキーポイントなのですが、人には得意不得意がつきものです。


私は電話が得意ではありません。


音声だけでのやり取りは相手と足並みを揃えるのが難しい。今何してるの、気分はどんな感じ、こちらの逼迫度に付き合っていただけますか。



特にこんな状況下では相手に無茶をお願いするわけですから、人の気持ちに立って考えてみればお前いい加減にしろよという感情を沸き上がらせて当然な訳です。



そう考えるとコールボタンを押すまでに決断する長い長い長ぁぁい時間が生じるんですね。


だから丁寧なメールを送ってお願いを受け入れてもらうんです。

これから無茶をお願いする相手なのです。今から靴を舐めるのでお願いを聞いてくださいと言わんばかりの文章を送ります。



そんなそこまでしないで下さいと思わせることができればこちらの勝ちです。相手が有給取得日だったら詰みです。


事実として、メール一つにその人の人間性というものは表れてきます。ニンが伝われば願いが聞き入れてもらえることは多いです。そのニンを伝えることで、私は数多の無茶ぶりをこなしてきました。



今回の無茶ぶりな仕事も、私のニンが無事伝わったのでしょう。相手の方はその日のうちに見積りを返してくれました。こちらの想定より三時間も早く。これがニンのチカラです。


無茶を聞き入れてもらえた際は、感謝をしっかり伝えるのが流儀です。必ずありがとうございますと返信をします。この感謝を忘れる社会人は結構多いです。


忘れ積もると大きな罰になってかえってきますよ絶対。


ありがとうメールって、もうそれだけで相手のそれまでに蓄積したストレスを半減させる効果がありますから。



半減ですよ半減。半減。


盛りました、すいません。


ただ今回の件については、無茶の度合いが年に一回あるかどうかくらいのレベルだったもので、感謝も全身全霊を込めて文章で表す必要があったのです。


相手の方も友達になりたいくらい丁寧な文章で回答してきて下さっていて、こちらの知りたいことを細かく記載してくれているんですね。



前段がかなり長くなりました、ここから本題です。



思わず最初の一文で、打ち込みました。

「ご丁寧にありがとうございます」



ここで私の悪い癖が出ます。

感謝の枕詞に、わざわざとご丁寧にをつけると悪意を感じさせるよと。


わかりますでしょうかこの感覚。

・わざわざありがとうございます。

・ご丁寧にありがとうございます。


・まあええ時計つけてはりますなあ。

と似てますよねこれ。


裏のニュアンスを感じさせる言い回しといいますか。


考え過ぎなのかな。

京都生まれ京都育ちなもんで。


皆さん言われたらどう受け取りますか。

というかこの言い回し使ってますか。





丁寧に最大限の感謝を伝えるには、なんて書けばいいんだ。なんて書けば、なんて書けば...


行き着いた結果は



嬉しい!ありがとうございます!


でした。


勿論送ってないですけれど。


ではでは。

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